「Webサイトで集客する」ためには、「SEO対策」が必要です。
しかし、SEO対策って何をすればよいのか?
専門知識がなければ不可能だと思っている方も多いかもしれません。
実際、企業や個人でWEBサイトを開設することは、無料サイトやテンプレートを使用することで容易にできます。
但し、いざ開設したばかりのサイトにはほとんどの場合、アクセスはありません。
この記事では、SEO対策の具体的な手法ではなく、SEO対策の基本となる「Googleのガイドラインを知る」ことにフォーカスを当てて、分かりやすくご紹介したいと思います。
Googleのガイドラインを知ることは、SEO対策のはじめの一歩です。
もし、今あなたが「SEO対策をいろいろ試してみたが効果が出ない」という場合は、根本的にSEOに対する考え方が間違っている可能性があります。
今回ご紹介する内容は、ガイドライン – Search Console ヘルプに掲載されている内容を噛み砕いて説明しています。
より詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
Googleガイドラインとは?
まずは、「Googleガイドラインとは何か?」について見ていきましょう。
Googleガイドラインとは、「サイトをGoogleの検索結果に表示させるためのコーディング指針」のことです。
つまり、「Googleの検索結果に表示または上位に表示するためにはこういうことに気を付けてね!」という「ヒント集」なわけです。
「答え」ではなく「ヒント」
今までSEO対策に馴染みがない人にとっては、「答え」ではなく「ヒント」ということに疑問を持ったかもしれません。
しかし、実はSEO対策には、はっきりとした「答え」はありません。
なぜなら、Googleの検索アルゴリズム(検索順位の決定要素)は非公開であるためです。
つまり、SEO対策には「これをしたから絶対に順位が上がる」ということはありません。
しかし、このGoogleガイドラインにはその答えに近い「ヒント」が掲載されています。
したがって、SEO対策を知るためには、ガイドラインを知ることがまずは重要だということです。
Googleガイドラインの3つの基本カテゴリとは?
次に、Googleガイドラインのカテゴリ構成をご紹介します。
Googleガイドラインでは、「一般的なガイドライン」、「コンテンツ固有のガイドライン」、「品質に関するガイドライン」と大きく3つのカテゴリに分かれています。
- 一般的なガイドライン
- コンテンツ固有のガイドライン
- 品質に関するガイドライン
それぞれにどんな内容が書かれているかを表にまとめてみました。
カテゴリ | 内容 |
---|---|
一般的なガイドライン | Googleに表示させるために最適化する方法 |
コンテンツ固有のガイドライン | サイトのコンテンツを最適化、追加するヒント |
品質に関するガイドライン | 主に、検索結果から除外されるような不適切な手法や対策 |
このように分かれています。
いずれも非常に濃い内容になっています。
すべての内容を理解するには非常に時間がかかりますが、ここで大事なことは「Googleが好むサイトやページを知る」という事です。
一般的なガイドライン
「一般的なガイドライン」では、「Googleはどんなサイトを評価するのか」が示されています。
Googleが示す基本的指針が以下の3つです。
Googleが評価する「3つの指針」
- Googleがページを検出できるように手助けする
- Googleがページを理解できるように手助けする
- 訪問者がページを利用しやすいように手助けする
この3つの指針を意識してサイトを作成することでGoogleは評価してくれます。
もう少し詳しく見ていきます。
Googleがページを検出できるように手助けする
Googleの検索エンジンは「クローラー」と呼ばれるロボットがWeb上を巡回しています。
このクローラーがページの変更や追加を認識し、Googleの検索結果に反映します。(※クロールと言います。)
「クローラーがページを検出しやすいように最適化しましょう」ということです。
具体的には、以下のようなことを行います。
- サイト上のすべてのページへアクセスできるようにする
- 画像にalt属性を設定する
- サイトマップを用意する
- リンクの数を妥当な数に抑える(最大で数千個)
- robots.txtを適切に設置する
Googleがページを理解できるように手助けする
Googleのクローラーは、ページの内容を理解しようとします。
このサイトが何について書かれているのか、訪問者にとって豊富な情報量や重要なキーワードが含まれているか等を判断します。
また、画像やJSファイルがサイトのパフォーマンスに大きな影響を与えていないかなども判断しています。
具体的には、以下のようなことに注意します。
- ユーザーにとって便利でわかりやすい正確なページを作成する
- ユーザーが検索するキーワードをを検討し、そのキーワードをサイトに含める
- title要素とalt属性を具体的で正確なものにする
- ページ階層を分かりやすいものにする
- 画像、動画、構造化データを最適化する
- CSSやJavaScriptファイルなどを最適化する
- 重要な情報はデフォルトで表示させる(※ナビゲーションやアコーディオンなど)
- 広告リンクをクローラが辿らないように「rel=”nofollow”」や「rel=”sponsored”」などを設定する
訪問者がページを利用しやすいように手助けする
最後に、訪問者が利用しやすいページであるかが重要です。
リンク切れやページの読み込み速度、デバイスのサイズに最適化されているか、データのやり取りを暗号化しているか、視覚障害者に向けたユーザビリティを考慮しているかなどが挙げられます。
- 重要なコンテンツは、画像ではなくテキストを使用する
- リンク切れをなくす
- ページの読み込み時間を最適化する
- あらゆる種類のデバイス向けにサイトをデザインする
- HTTPSを使用する
- 視覚障がいのあるユーザーにも利用しやすいページにする(※スクリーンリーダーなど)
ここからは、より詳しく見ていきます。
この「一般的なガイドライン」カテゴリでは、より具体的な最適化についての方法がまとめられています。
少し技術的な用語なども出てきて難しく感じる方も多いかもしれません。
もし、出てくる用語が全く分からないという方でも、まずは一通り読んでみてください。
一般的なガイドラインの具体的な施策
例として、以下のような施策をGoogleは推奨しています。
- シンプルな URL 構造を維持する
- Google に外部リンクの関係性を伝える
- 有効なページ メタデータを使用する
- リンクをクロールできるようにする
- Googlebot がブロックされないようにする
それぞれの概要を見ていきましょう。
シンプルな URL 構造を維持する
サイトのURLは、できる限りシンプルな構造にする必要があります。
また、人間が理解しやすいように意味のない単語の使用を控えます。
例えば、「犬の種類」に関するページであれば、「犬」を意味する「dog」という単語と「種類」を意味する「type」をハイフンでつなぎます。
「https://example.com/dog-type」とこのようにします。
これを「dogtype」としてしまうと、単語としての意味が正しく伝わらなくなってしまいます。
また、ハイフンではなくアンダースコアやその他の記号を使用することは推奨されておらず、「/123」などのIDによるURLも意味を持たないため避けるべきです。
Googleに外部リンクの関係性を伝える
Googleのクローラーは、リンク(<a>タグ)を辿り巡回します。
その際、ドメインの違うサイトへのリンクを「外部リンク」と呼び、外部リンクと自サイトの関係性をGoogleに伝える必要があります。
関係性がないサイトの場合(※例えばWikipediaなどの参考URLなど)は、「<a>タグ」に「rel属性」を追加する必要があります。
このrel属性を追加することによって、クローラーがリンクを辿ることがなくなります。
rel属性には、以下の3種類が設定できます。
relの値 | 説明 |
---|---|
sponsored | 広告や有料リンクに対して使用します。 |
ugc | コメントやフォーラムなどユーザーが作成したコンテンツへのリンクに使用します。 |
nofollow | 上記に該当しない外部リンクに使用します。内部リンクの場合は、nofollowではなくrobots.txtを使用します。 |
これらの設定をすることで、Googleのクロールを回避することができます。
また、上記の3種類の値を複数記述することも可能です。
リンクをクロールできるようにする
リンクをクロールできるのは「<a>タグのhref属性」のみです。
<a href=”https://example.com”>などは辿ることはできますが、一方で、<a onclick=”goto(‘https://example.com’)”>といったリンクは辿ることができません。
できるだけ、前者のように設定を行いましょう。
有効なページ メタデータを使用する
メタデータに有効なHTMLを使用することで、Googleに正しい情報を伝えることができます。
主に、<head>タグ内に配置します。
例えば、以下の要素などが挙げられます。
- title
- meta
- link
- script
- style
- base
- noscript
- template
Googlebot がブロックされないようにする
サイトに対してGooglebot(クローラ)がアクセスすることをブロックしてしまうと、サイトのコンテンツのクロールやインデックスが正しく登録されなくなります。
よくある事例として、WordPressの「設定」→「表示設定」→「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックが入っていて、インデックスされないといったことがあります。
また、robots.txtでクロールをブロックしてしまっている場合などがあります。
これらの事を行っていないかを確認してください。
コンテンツ固有のガイドライン
2つ目のカテゴリは、「コンテンツ固有のガイドライン」です。
こちらは、サイト上の特定のコンテンツ(画像や動画、eコマースなど)に関する追加のヒントを示します。
この項目の多くはより上級者向けとなっており、初心者の方はあまり意識しなくてもよい内容になっています。
さらっと流してもらって構いません。
コンテンツ固有のガイドラインの構成
- Google画像検索でのおすすめの方法
- 動画でのおすすめの方法
- セーフサーチとウェブサイト
- Google検索でeコマースサイトを見つけやすくするためのおすすめの方法
- Googleでビジネスの詳細を際立たせる
- 削除した情報がGoogle検索に表示されないようにする
- Google検索でのAMPに関するガイドライン
- Google検索で教育サイトを見つけやすくするためのおすすめの方法
ここでは詳しい解説はしませんが、後日それぞれの項目を詳しく解説できればと思っていますので、少々お待ち下さい。
品質に関するガイドライン
最後は、「品質に関するガイドライン」です。
これまでは、「こうすることが望ましい」という内容でしたが、ここでは逆に「こういうことはすべきでない」という内容です。
こちらのガイドラインに違反することで検索結果に表示されなくなる可能性があります。
一度ペナルティを受けたサイトはそこから復活するのに時間と手間がかかります。
必ず頭に入れておきましょう。
ただ、自然にサイト運営をしている場合、ほとんど問題になることはありません。
しかし、どうしても検索上位に表示したいとの思いから、ガイドライン違反をしてしまう可能性もゼロではありませんので、注意しましょう。
品質に関するガイドラインの基本方針
まずは、品質に関するガイドラインの基本方針、つまり「こういう考えでサイトを作ってね。じゃないと検索結果からいなくなっちゃうよ。」ということについてまとめています。
- 検索結果を意識するのではなく、ユーザー(訪問者)の利便性を最優先に考える
- ユーザーをだますようなことはしない
- 不正行為をしない
- オリジナル性があるか(競合との差別化)
まず、最も重要なことは「ユーザーにとって使いやすいか、有益な情報か」ということです。
SEO対策は小手先の技術だけでどうにかなるものではありません。
とにかく、ユーザー目線で「サイトを読む価値があるか」ということを意識する必要があります。
また、不正行為や他サイトからの転用記事などもガイドラインに反する行為ですので、絶対にやめましょう。
それらを踏まえたうえで、より詳しい内容を見ていきましょう。
品質に関するガイドラインの構成
- コンテンツの自動生成
- 不正なリダイレクト
- オリジナル性が全くないページの作成
- リンクプログラムへの参加
- クローキング
- 隠しテキストと隠しリンク
- 誘導ページ
- 無断複製されたコンテンツ
- 付加価値のないアフィリエイトプログラムへの参加
- 無関係なキーワードの乱用
- 悪意のある動作を伴うページの作成
- 構造化データのマークアップの悪用
- 自動化されたクエリの送信
コンテンツの自動生成
プログラムによって自動的に生成されたコンテンツをSEO目的で公開することでペナルティの対象となります。
主に、キーワードを大量に含んだ意味のない文章などが該当します。
不正なリダイレクト
Googleのクローラが認識した内容とは異なるページへのリダイレクトは、ユーザーやクローラーを騙す行為として違反となります。
もちろん、新しいアドレスへの移転に伴うリダイレクトやJavascriptなどを使用して、ログイン後にマイページにリダイレクトするといった場合は違反とはなりません。
オリジナル性が全くないページの作成
Googleの検索順位を上げるのに、最も大切なことは、「豊富な情報」と「関連性の高いキーワード」、そして「オリジナルのコンテンツ」のページです。
Googleでは、ユーザーにとって価値のないページと判断されると、検索結果から削除される場合もあります。
リンクプログラムへの参加
SEOに興味のある人なら「リンク」の重要性は知っているかもしれません。
しかし、検索順位を上げる目的でリンクを売買することはガイドライン違反となります。
例えば、「被リンク○○個で●●万円」などと謳う業者も以前に比べれば減りましたが、未だにそのようなサービスを行っている業者もあります。
また、検索順位の為の相互リンクのページを作成するといった行為も違反となります。
「リンク」は自然に集まってこそ評価されるものです。
独自性のある有益なコンテンツを作成するように心がける必要があります。
クローキング
クローキングは、検索エンジンとユーザーに対して別々のURLを表示することです。
例えば、検索エンジンにはHTMLのページを、ユーザーには画像のページを表示するといった行為です。
隠しテキストと隠しリンク
一昔前に非常に多く見受けられた「隠しテキスト」や「隠しリンク」も違反です。
例えば、「白の背景に白のテキストを使用する」や「フォントサイズを0にする」といった行為です。ユーザーに見えないところで大量のキーワードをページに埋め込むことで、検索上位を狙う手法です。
誘導ページ
俗に言う「サテライトページ」と呼ばれる誘導のためのページを大量に作成して目的のページへ誘導する行為です。
このサテライトページ自体がダメというより、ユーザーにとって何の利益もないページやリンクを単に検索や誘導目的で作成する行為が違反となります。
コンテンツの質が低いページをどんなに大量に作成しても全く効果はありませんので注意しましょう。
無断複製されたコンテンツ
サイトのコンテンツ量を増やすことを目的に他サイトのコンテンツをコピーして公開することは、違反です。
Googleは、「独自性」や「付加価値」を評価しますので、他サイトのコンテンツを丸々コピーしただけのコンテンツを公開することはやめましょう。
付加価値のないアフィリエイトプログラム
アフィリエイトプログラムに参加している人は、商品やサービスを紹介するコンテンツを作成しますが、重要なのは「独自性」です。
アフィリエイトサイトは、どうしても似たような記事ばかりが増えてしまう傾向にあります。
しかし、ユーザーにとって内容の濃い独自性のあるコンテンツをGoogleは求めています。
アフィリエイトを行っている人はオリジナルのコンテンツで他者との差別化を図ることで検索順位を優位にすることができます。
無関係なキーワードの乱用
何度も出てきているように、Googleは、「ユーザーにとって有益かどうか?」を重要視しています。
検索目的のキーワードを羅列(都道府県名や電話番号など)するといった行為はやめましょう。
悪意のある動作を伴うページの作成
ユーザーが意図していない動作(例:勝手にファイルをダウンロードさせる、クリックしたボタンとは関係ないリンクに飛ばすなど)を伴うページを作成することは違反です。
構造化データのマークアップの悪用
構造化データとは、ページのコンテンツの詳細情報をGoogleやユーザーに正しく分類し、伝えるためのデータです。
例えば、レシピサイトなどでは、材料や加熱時間、カロリー、レビューなどのデータを分類し、検索結果にも反映することができます。
この構造化データを検索順位のためだけに利用することはやめましょう。
ページに掲載していない情報を構造化データとしてマークアップすることや、ページに関連性がないデータをマークアップしないようにしてください。
ユーザー生成スパムに関するガイドライン
ガイドライン違反はページ作成者の行為だけではありません。
例えば、ブログのコメントへのユーザーからのスパム行為などもペナルティの対象となります。
コメントやフォーラムなど不特定多数の人が生成できるページを持っている場合、このようなスパム行為に対してしっかりと対策を行う必要があります。
コメントスパムを防止する方法
コメントスパムにより、検索順位だけでなく、ウィルスやハッキングなどさらに大きな被害をもたらす可能性があります。
それらを防ぐ方法として以下のことを検討しましょう。
- コメントを有効にする際は十分に検討する・・・本当にコメント機能がユーザーにとって必要かを十分に検討する。
- コメントおよびプロフィール作成の管理を有効にする・・・コメントやプロフィールの作成を承認制にする。
- スパム対策ツールを使用する・・・ reCAPTCHAなどのツールで対策をする。
- 「nofollow」またはより具体的な属性を使用する・・・悪意のある誘導リンクなどに対してPageRankの転用を防ぐ。
- 信頼していないコンテンツが検索に表示されないようにする・・・noindexを設定して検索に表示されないようにする。
- コミュニティからヘルプを得る・・・ユーザーからスパム行為を報告を得られるようにする。
- ブラックリストを使用する・・・スパム行為のあるユーザーをブラックリスト化してIPアドレスによりアクセス不可にする。
- スパム行為のあるコンテンツがないかサイトを監視する・・・Googleアラートを使用してキーワードを監視する。
スパム、有料リンク、マルウェアを報告する
ペナルティやSEOとは直接関係しないかもしれませんが、もし自サイトがスパムやマルウェアの被害に遭っているもしくはその可能性が考えられる場合は、すぐにGoogleに報告しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
かなりのボリュームになってしまいました。
実際は、もっと詳細が書かれていますので、より具体的に知りたい方はぜひ目を通してみてください。
やはり、Googleの方針として「ユーザーにとっての価値を高める」ことと「ユーザーやクローラーを騙すようなことはするな」ということでしょう。
これからSEO対策についてもっと勉強したいという方は、この2点を忘れずに良質なコンテンツづくりに邁進することが重要なことだと思います。
この記事が、少しでも参考になれば幸いです。